ケネディクス商業リート投資法人

証券コード:3453

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環境への取り組み

気候変動への取り組み

基本的な考え方

気候変動の主な要因となる地球温暖化は、これまでも重要な環境課題として議論がなされてきており、近年では1997年に採択された京都議定書以来18年振りの国際的な気候変動関連の枠組みとなる「パリ協定」が2015年のCOP21において採択されています。「パリ協定」においては、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をすることが主な目的として掲げられました。また、2021年のCOP26においては、グラスゴー気候合意として世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが確認されました。昨今の異常気象の増加等に鑑みますと、このような気候変動への取組みは本投資法人の事業活動や運用物件にとっても重要な課題であると認識しています。

TCFD提言への賛同

本資産運用会社は、2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織である「TCFD コンソーシアム」へ加入しました。
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)とは、G20 の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された国際イニシアチブです。TCFD は、企業等に対し、気候変動関連リスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することを推奨する提言を公表しています。

また、TCFD コンソーシアムとは、TCFD 賛同企業や金融機関等が一体となって取組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組みについて議論することを目的として設立された組織です。
本投資法人並びに本資産運用会社では、TCFD に基づく情報開示の拡充に取組み、引き続き ESG への取組みを積極的に推進していきます。

ガバナンス

気候変動に関するガバナンス体制

サステナビリティに関わる業務については、本資産運用会社の「サステナビリティ推進委員会」が中心となって推進します。
サステナビリティ推進委員会は、本投資法人及び本資産運用会社のサステナビリティ・ESGに関する方針や目標、活動計画や各種取組み、リスク管理等に関する事項及びその他のサステナビリティ又はESGに関する重要事項を収集、分析及び検討し、関係者と共有することを通じて、サステナビリティ・ESG関連事項への取組みの推進を図ることを目的とします。サステナビリティ推進委員会は原則3ヶ月ごとに開催され、検討された内容は、内容に応じて本資産運用会社の取締役会や、監督役員が参加する本投資法人の役員会へも報告されます。
サステナビリティ推進委員会は、同推進委員会委員長である代表取締役社長(サステナビリティ推進最高責任者)、委員として、常勤取締役、戦略企画部長、各リート本部を担当する戦略企画部副部長、戦略企画部サステナビリティ推進室長、各リート本部戦略企画責任者、各リート本部資産運用部長及び財務経理部長で構成されています。
また、戦略企画部サステナビリティ推進室長は、本資産運用会社の親会社であるケネディクス株式会社の広報・サステナビリティ推進部を兼務しており、ケネディクス・グループ全体として統一した方針のもと、サステナビリティ・ESGに関する取組みを横断的に推進する体制が構築されています。

戦略

シナリオ分析の実施

本資産運用会社では、気候変動が現在から中長期にわたって本資産運用会社の運用する投資法人に与えうるリスク及び機会を把握し、それらについて未然に検討・対応していくために、複数の世界観をもとにしたシナリオ分析を実施しました。各シナリオの概要は下記のとおりです。なお、本分析においては、国際機関等が公表している将来的な気候予測やエネルギー動向のシナリオ等を参照のうえ検討を実施しました。

(主な参照情報)

  移行リスク 物理リスク
4℃シナリオ IEA(国際エネルギー機関)
World Energy Outlook 2020 STEPS
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)
第5次報告書 RCP8.5
1.5℃シナリオ IEA(国際エネルギー機関)
NZE2050
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)
第5次報告書 RCP2.6

シナリオ分析に基づく財務的影響

本資産運用会社の運用する投資法人において想定されるリスク及び機会、並びに財務的影響について、前述した4℃及び1.5℃シナリオの世界観毎に、中期的(2030年)及び長期的(2050年)な影響を検討しました。検討結果の概要は次のとおりです。

リスク・機会 財務的影響 リスクへの
対応策

機会への
取組施策
中分類 要因 4℃
シナリオ
1.5℃
シナリオ
中期 長期 中期 長期
移行
リスク

機会
政策

法規制
CO2排出量規制
国際的な枠組みへ対応するための施策としてCO2排出量の規制が生じ、CO2排出に関するコスト・リスクが発生する。
既存物件の省エネ化のためのコスト増加
  • 既存物件の省エネ化
  • GHG削減目標の設定
炭素税負担
国際的な枠組みへ対応するための施策として炭素税の導入が生じ、CO2排出に関するコスト・リスクが発生する。
炭素税のコスト増加
  • 再生可能エネルギーの導入
  • 非化石証書等の取得
非化石証書等の取得コスト増加
技術 省エネ・再エネ技術の高度化
さらなる技術発展が生じ、導入コストの低下や、より効率的な省エネ・再エネの達成が可能となる。
新技術導入によるコスト増加
  • 既存物件の省エネ化
省エネ化、再エネ導入、ZEB・ZEH化等に伴う光熱費の削減
  • ZEB・ZEH物件の取得
  • 既存物件のZEB・ZEH化
市場 投資家・金融機関の評価
投資家やレンダーは、運用物件の環境パフォーマンス向上を重視するようになる。
低評価による資金調達コストの増加
  • 既存物件の省エネ化
  • 環境認証の取得
  • 投資家・金融機関とのエンゲージメントの強化
  • グリーンファイナンスの活用
高評価による資金調達コストの低下
環境認証の重視
投資家・金融機関のポートフォリオ評価やテナントの物件選定にあたり、環境認証の取得が要求される。
評価向上のための対応コスト増加
  • 環境認証の取得
環境認証の取得コスト増加
評判 環境志向によるテナントの行動変容
規制対応や志向の変化等から、物件の環境パフォーマンスが重視される。
環境パフォーマンスの低い物件の座礁資産化
  • 既存物件の省エネ化
  • 環境認証の取得
  • テナントとのエンゲージメントの強化
環境パフォーマンス向上による入居率の維持向上
防災志向によるテナントの行動変容
気温上昇や海面上昇に起因する災害の増加から、物件の防災面が重視される。
レジリエンスの低い物件の座礁資産化
  • 取得時デューディリジェンス
  • 運用物件の浸水リスク分析
  • レジリエンスの向上
  • テナントとのエンゲージメントの強化
レジリエンス対応による入居率の維持向上
物理
リスク

機会
急性 風水害の激甚化
風水害の激甚化により物件が損害を被る頻度が上昇する。
災害からの復旧コスト増加
復旧期間における賃料収入の減少
慢性 海面の上昇
慢性的に海面が上昇する。
海面上昇への対応コスト増加
平均気温の上昇
慢性的に平均気温が上昇する。
夏場の光熱費の増加
  • 既存物件の省エネ化
各シナリオにおける財務的影響(小・中・大)は、定性的・定量的な観点を踏まえて運用会社にて議論を行ったうえで決定しています。また、各シナリオにおける財務的影響の赤色はリスク項目を、緑色は機会項目を表しています。なお、本検討については今後も継続的に行い、新たに生じた外部・内部要因や定量的な影響の精査等を踏まえて適宜更新を行う予定です。
リスク管理

気候変動に係るリスク管理体制

本投資法人及び本資産運用会社のサステナビリティ・ESGに関するリスクについては、本資産運用会社の各リート本部及びサステナビリティ推進委員会において識別し評価されます。これらのサステナビリティ・ESGに関するリスクについては各所管部署において日常的に管理されるとともに、重要なリスクについてはサステナビリティ推進最高責任者のもとサステナビリティ推進委員会において定期的に分析及び検討のうえ適切に管理されるとともに、必要に応じて関係者と共有することにより組織全体のリスク管理に組み込まれます。

指標と目標

気候変動に係る指標と目標

本投資法人及び本資産運用会社は「エネルギー消費量・CO2排出量の削減」をマテリアリティの一つとして認識しており、運用する投資法人の事業活動や運用物件によるエネルギー消費、CO2排出の継続的削減を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可能性に貢献します。
本投資法人は気候変動に係る削減目標を設定したうえで、継続的なモニタリングを実施するとともに、環境負荷低減につながる取り組みを推進しています。なお、シナリオ分析を実施した結果として、現在目標の再設定を進めています。

サステナビリティ目標

本資産運用会社商業リート本部は、「環境方針」に基づきサステナビリティに関する取組みを推進するとともに、エネルギー使用量の削減目標(中長期目標)と目標管理について以下のとおり設定しています。

1. エネルギー消費量に関する削減目標の設定(中長期目標)
ポートフォリオ全体において、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(以下「省エネ法」といいます。)に則り、直近5年間において、年平均1%以上の法準拠エネルギー消費原単位の低減を目指します。
温暖化対策関連の地方条例の対象となる物件は、個別に目標を設定しています。
2. 目標管理
中長期目標に対する実績の進捗管理及び消費量増減の原因把握等を行います。
具体的な削減目標は以下のとおりです。
項目 削減目標
エネルギー使用量 年平均1%(5年間)
温室効果ガス(GHG)排出量 年平均1%(5年間)
水使用量 前年比増加させない
廃棄物重量 前年比増加させない
3. GRESB等外部評価への参加を通じたサステナビリティ活動の改善
総合スコアでの相対評価による「GRESBレーティング」で、「4スター」以上の評価の取得を目指します。
4. 環境認証等取得床面積割合の目標の設定
保有物件における環境認証等の取得割合について、環境認証等取得物件の床面積の割合を本投資法人保有物件(底地を除く)の総床面積(区分所有及び共有物件は持分比率で按分)に対して60%以上とすることを目指します。

エネルギー消費実績

本投資法人保有物件のエネルギー使用量、温室効果ガス排出量、水使用量、廃棄物重量に関するデータは下記のとおりです。

項目 単位 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
エネルギー使用量 原単位(kl) 0.04947 0.05283 0.05215 0.05132 0.04830
原単位(MJ) 1,894 2,022 1,996 1,965 1,849
対前年度比(%) 95.6 106.8 98.7 98.4 94.1
ポートフォリオ全体使用量(kl) 23,279 28,826 30,422 30,584 29,384
温室効果ガス排出量 原単位(t-CO2) 0.09460 0.10106 0.09784 0.09280 0.08435
対前年度比(%) 93.1 106.8 96.8 94.9 90.9
ポートフォリオ全体排出量(t-Co2) 44,514 55,139 57,073 55,300 51,324
水使用量 原単位(m3) 0.63938 1.06067 1.25185 1.19864 1.11659
対前年度比(%) 116.6 165.9 118.0 95.7 93.2
ポートフォリオ全体水使用量(m3) 488,612 702,872 865,905 1,011,558 819,761
ポートフォリオにおけるカバー率 100% 100% 100% 100% 100%
廃棄物重量 原単位(t) 0.01005 0.01630 0.01350 0.01344 0.01542
対前年度比(%) 110.7 162.1 82.9 99.5 114.8
(注1) 「エネルギー使用量」及び「温室効果ガス排出量」の原単位は総稼働床面積(m2/年)で除して算出しています。
(注2) 「水使用量」及び「廃棄物重量」の原単位はポートフォリオ全体の延床面積で除して算出しています。

環境への取り組み事例

LED照明の導入

本投資法人は省エネルギー対策として保有物件にLED照明を導入することにより、電球交換コスト及び電気使用量の削減を推進しています。また、温室効果ガスの発生にも配慮し、より環境にやさしい物件つくりを目指します。

  • パサージオ西新井
    パサージオ西新井
  • ブルメールHAT神戸
    ブルメールHAT神戸
  • ウニクス伊奈
    ウニクス伊奈
  • アシコタウンあしかが
    アシコタウンあしかが
  • カリーノ江坂(2017年導入)
    カリーノ江坂
  • MONA新浦安
    MONA新浦安
施設の緑化

保有施設の緑化により、熱環境改善等の物理的な環境改善効果に加え、施設利用者への癒し効果を促し、憩いの場を提供しています。

  • ブルメール舞多聞
    ブルメール舞多聞(敷地内緑化)
  • MONA新浦安
    MONA新浦安(屋上緑化)
  • ウニクス伊奈
    ウニクス伊奈(壁面緑化)
太陽光パネルの設置

ウニクス伊奈、かわまち矢作モール及びアピタテラス横浜綱島に太陽光発電パネルを設置し、発電した電力を自家消費することでCO₂排出量を軽減しています。

  • ウニクス伊奈
    ウニクス伊奈
    (発電容量:334.53kW)
  • かわまち矢作モール
    かわまち矢作モール
    (発電容量:302.40kW)
  • アピタテラス横浜綱島
    アピタテラス横浜綱島
    (発電容量:25.26kW)
発電量
ウニクス伊奈 かわまち
矢作モール
アピタテラス
横浜綱島
316,114 kWh 335,229 kWh 28,981 kWh

(注)発電量については2021年3月から2022年2月までの実績を記載しています。

節水への取り組み

保有物件おいて節水機能付きトイレの導入、雨水タンクの設置を行うことで水使用量の削減に取り組んでいます。

ステークホルダーとの環境面における協働取り組み

本投資法人及び本資産運用会社は運用物件の環境性能の向上等を通じて持続可能な環境への貢献に取り組んでいますが、日常的に物件を利用されるテナントの皆様のご理解とご協力も重要であると考えています。本投資法人及び本資産運用会社はテナントへの啓発活動や建物所有者とテナントの双方がメリットを分かち合うことのできるグリーンリースへの切り替えの働きかけ等を通じて、持続可能な環境社会のための協働を目指しています。
本投資法人及び本資産運用会社は「環境のためのテナントとの協働」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして捉え、ステークホルダーであるテナントとの協働をより積極的に推進すると共に、実際に物件管理を行うプロパティマネジメント会社や物件運用を担う本資産運用会社の社員といった他のステークホルダーとも連携も図りながら、環境面での持続可能性に貢献します。

グリーンリースの実施

グリーンリースとは、建物所有者とテナントが環境負荷を低減するため協働することを盛り込んだ賃貸借契約です。本投資法人は一部のテナントとグリーンリースを実施しています。

グリーンリース締結済みテナント数 グリーンリース締結割合(注)
284件 54.9%

2022年2月28日現在

(注) グリーンリース締結済みテナント件数を全テナント数(517件)で除して算出しています。
プロパティ・マネジメント会社との協働

本投資法人が保有する物件の PM 業務を一括受託している本資産運用会社は再委託先の外部のプロパティ・マネジメント会社(サブ・プロパティマネジメント・マネジメント会社、以下「SPM 会社」)に対し、サステナビリティ方針等、持続可能な環境社会への貢献に関する本投資法人の考えを共有し、新規に賃貸借契約書を締結する際には、SPM 会社を通じてテナントへも投資法人の理念を説明し、省エネなどへの取組みに対するテナントの協力をお願いしています。

グリーンビルディングに関する従業員教育

本資産運用会社ではグリーンビルディングに関する知識向上のため、年1回外部講師を招いて従業員向けのサステナビリティ研修を実施しています。また、グリーンビルディング関連の資格取得も奨励しています。

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